「魚に捨てる部分はない」
という日本料理の考え
「お客さまに美味しいものを食べていただきたい」。その一心で、魚のアラ(お頭や骨の周りについた身の部分)から骨まで無駄なく調理し、お客さまに提供しています。根幹にあるのは、すしとして扱う”背や腹”の部分とアラや骨などの美味しさの価値は同等という考え方。私たちは、SDGsという言葉が生まれる前から、「魚に捨てる部分はない」という日本料理の考え方を受け継ぎ、握りにはできない部位を活用したメニュー開発を続けてきました。
「スシロー」の人気メニューの一つであるラーメンは、まさしく魚を余すところなく味わえる品です。魚のアラや骨をスープにふんだんに使用することで旨みがアップ。さらに「濃厚えび味噌ワンタンメン」には、えびの殻を煮詰めて作ったオリジナルの海老醤(えびじゃん)を、「コク旨まぐろ醤油ラーメン」にはまぐろの筋が多い部分をフライにしたまぐろカツをトッピングしています。アラや骨、えびの殻は一度香ばしく焼くことで風味が引き立ち、まぐろの筋は火を通すことで柔らかくなります。ただ料理に使えば良いわけではなく、適切な下処理と調理方法、さらには調味料の掛け合わせで、素材が持つ最大限の魅力を引き出しています。