食品ロス削減にDXで挑む

DXによる食品ロス削減とお客さまの安全確保

業界に先駆けてDXを推進
「回転すし総合管理システム」

「スシロー」で提供する商品の平均原価率は約50%と、業界トップクラスの高さです。その理由は、高品質で美味しい商品を常にお届けしたいから。この高い原価率を実現するため、廃棄する食材の削減は欠かすことができません。スシローは約20年前から店舗運営にITを取り入れ、食品ロスの削減に取り組んでいます。

1年で10億皿ものデータを解析、高い精度で需要予測する

「スシロー」では、ITを活用した「回転すし総合管理システム」を導入し、販売動向の管理や需要予測によって廃棄食材を減らしています。一つひとつの皿にICタグを取り付け、どのネタがいつレーンから取られたのかをリアルタイムに把握し、そのデータを基に高い精度で需要を予測。解析するデータの数=商品が載った皿数は、1年で10億件に達します。予測するのは着席から1分後と15分後にお客さまが求める皿の数で、その数字を参考にして商品をレーンに流します。

この施策を始めたことで、廃棄される食品を減らすことにも成功しました。レーンを一定距離移動した皿については自動的に廃棄する仕組みを取り入れています。例えばまぐろは350メートル(約40分程度)で自動廃棄します。これにより、レーンには常に新鮮な商品だけが流れるようにしています。

食品ロス削減は地球環境への貢献であると同時に、外食産業にとっては事業活動のサステナビリティを考えるうえでも必須の取り組みです。回転すし総合管理システムを取り入れたのは、今から約20年も前、2002年のこと。実はそれ以前は、どのネタが何皿くらい売れるかという予測は、すべて店舗で働く店長の感覚で決めていました。要は、勘です。また、レーンを流れる商品の廃棄も、人の目で見て「このネタは乾燥している」と感じた皿をレーンから間引いていました。
そうした状況を変えるためにDXを推進し、一つひとつの皿の動きをデータで記録することで、レーンを流れる商品の管理を人の感覚に頼らず標準化することができるようになりました。それだけでなく、お客さまのニーズを数字で掴むことによって、ニーズが高い商品はしっかり仕入れて品切れを出さないようにする一方、廃棄される食材を減らしていこうというモチベーションも高まり、店長が具体的なアクションを起こしやすくなりました。

来店数や仕入れの量まで精緻に予測する
AIを活用したシステム変革

回転すし総合管理システムは、食材の鮮度管理やお客さまの案内管理、どのような商品を提供すべきかを示す供給指示、お客さまからオーダーを受ける注文管理も含め、様々なサブシステムで構成されています。このうち、例えば注文管理は当初インターフォンで注文を受ける仕組みでしたが、2008年からタッチパネルへの切り替えをスタート。2016年に一部の都市型店舗で注文品を専用レーンでお届けする仕組みを導入しました。また、案内管理は2015年にスマートフォンアプリを活用する形へ変更しています。2019年にはキッチン内作業を効率化するため、キッチン専用レーンの導入も始めました。このように、お客さまのニーズや環境の変化、新しく登場する技術に柔軟に対応し、より良いシステムにしていくため常にアップデートを続けています。

需要予測については、これまでは回転すし総合管理システムで得られる販売数など商品管理に伴うデータを基にした分析と、曜日ごとの来店者数など過去の統計から導き出される分析の2本立てで割り出し、店舗に応じて指示を出していました。今後は予測精度をさらに高めるため、AIを活用した進化に取り組んでいます。また店舗だけでなく、本社が一括して行う仕入れや在庫管理にも活用を広げ、食品ロスの一層の削減に取り組んでいきます。

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