Together with the Global Environment

地球環境とともに


環境方針

当社グループは「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」というVISIONのもと、サステナブルな社会の実現と企業の成長を実現するため、青い海と緑の大地を守り、未来まで続く食の恵みを大切にしていきます。そのためには気候変動、環境汚染、資源や水の枯渇、生物多様性の損失は世界においても、当社グループの経営においても重要な課題と認識しており防止に向け、環境方針を策定し行動して参ります。

公正な取引によるサステナブル調達の実施

マテリアリティ

サステナブルな社会の実現と企業の成長の両立には、食材の仕入先である取引先の協力が必須です。そこで取引先にも調達ポリシーを共有しています。品質・安全性や持続可能性、人権の尊重などの項目をお伝えした上で理解いただき、セルフチェックなどを含めたご協力もお願いしています。また新たな取引先に対しても調達ポリシーを理解いただきつつ、等しく門戸を開き、企業活動と環境・社会の共存共栄を一丸となって目指しています。

調達基本方針

私たちFOOD & LIFE COMPANIESは、サステナブルな社会の実現と企業の成長を目指し、『変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。』というVisionのもと、原料などの調達においても、法令・社会規範を遵守することはもとより、安全・安心な商品を継続的に提供します。

私たちは、取引先の皆さまと共に、以下に掲げる項目を遂行し、企業活動と環境・社会の共存共栄を目指して参ります。

(1) 調達倫理

私たちは、公平・公正・透明性を基本にお客さまへ安全で安心な食を安定的に提供することを最優先として商品を調達します。

(2) コンプライアンス

適用される国や地域の法令及び社会規範を遵守します。

(3) 品質・安全性

商品の品質や安全性確保のために、法令、また当社のアセスメントの実施や規格書の締結などにより、品質管理を徹底します。
また、当社が求める商品の製造過程の視察、監査により安全性を担保します。

(4) 人権の尊重と労働

国際的な規範を遵守し、サプライチェーンにおける労働者の人権を尊重するとともに人権侵害に加担しません。
あらゆる形態の強制労働や児童労働のない環境となるように努めます。

(5) 持続可能性

資源の持続可能な有効利用に努め、食品ロスの削減、生産効率の向上、生物多様性、生態系の維持に配慮した調達に取り組みます。

(6) 腐敗防止

強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止することに努めます。

(7) お取引先との協働

お取引先は重要なビジネスパートナーとして本調達方針をご理解いただき、セルフチェックなどを含めたご協力をいただきます。
新たなお取引先に対しては、等しく門戸を開放します。

食品ロス削減と海洋生物資源などの有効活用

マテリアリティ

調達基盤の確立で目指すサステナビリティ

世界中のお客さまに安全・安心な食を提供することを目指す中で、水産資源の持続可能性という社会課題は避けることはできないと考えています。資源の安定的な生産・活用のために、調達基盤の強化を推進し、川上から川下までサプライチェーン全体の最適化に取り組んでいます。

サステナブルな調達の実現に向けてサプライチェーンの改革に取り組む

当社グループでは、食材の調達を「川上」、食材の加工・輸送を「川中」、お客さまとの接点である販売を「川下」と定義しています。多くの食材調達を必要とする事業であることから、限りある水産資源の安定確保に取り組むことが重要な課題の一つとなっています。


それにともない、川下事業だけでなく、養殖も含めた調達面における競争優位性の確立、また調達した資源についてはDX活用によって食品ロスやコストのカットを徹底するなど、川上〜川中での取り組みを強化しています。圧倒的な顧客基盤を持つ川下の強みを生かし、外部パートナーと連携しながら、サプライチェーン全体で水産資源の安定活用に取り組んでいきます。

川上事業での調達基盤づくり

川上事業の取り組み

気候変動など将来の大きな環境変化が懸念される中、天然漁獲量の減少についても危惧されており、天然に依存しない水産資源調達の重要性が増しています。その対応策として外部事業者や最先端技術への投資、業務提携による種苗開発や飼料改良・代替などの新技術の開発に取り組んでいます。川上事業での調達基盤の強化により、安定した品質と生産量の確保を目指します。

専門事業者とのジョイントベンチャーを設立

水産資源の調持続可能な水産資源の調達を目的に、2022年にマダイ養殖大手の株式会社拓洋とのジョイントベンチャーである株式会社マリンバースを設立しました。養殖事業者が効率的な漁業を実現できることを目的とし、種苗や飼料などの供給、人工種苗の開発を通じて養殖事業の支援を推進しています。

技術革新と研究開発による次世代養殖への挑戦

養殖業における環境が大きく変化していく中で、次世代技術として注目されているゲノム編集や最先端のゲノム解析技術を有する 大学発スタートアップ企業への投資や、共同研究を行っています。 この事業を通じ、変化していく環境に対応した品種改良・種苗開発による生産性の向上を図ることで、サステナブルな養殖事業の実現に取り組んでいます。

次世代飼料や養殖設備の開発

次世代飼料原料の研究開発や飼料成分のリサイクルを強化し、天然の魚粉原料依存からの脱却を目指すとともに、飼料の規格化を進めることを計画しています。コストや品質の維持・管理だけでなく、トレーサビリティなど原料に対する社会的責任を果たし、飼料原料の持続可能性の確保に努めます。また、養殖現場においては、人口減少や生産コストの高騰により、省力化・省人化を通した生産性の向上と生産コストの抑制が求められています。養殖設備メーカーと連携し、次世代の養殖設備の開発支援を通じて、サステナブルな水産資源の調達を目指しています。

DX活用による食品ロス削減

川中事業の取り組み

食品ロスの削減は外食産業にとって重要な社会課題と認識し、従来からの取り組みを一層強化しています。また、品質が高く美味しい商品を、手ごろな価格でお届けし続けるためには、廃棄する食材をできるだけ少なくすることが重要です。そのためDX化やグループ全体での魚の活用など、さまざまな施策を進めています。また、食べ残しなどの食品廃棄物を飼料やバイオマス燃料等へ再利用することで、資源の有効活用と、廃棄にかかわるコスト削減も検討しています。

DX・AIを駆使した食品ロス削減

国内の「スシロー」では、AI活用による食品ロスの削減に取り組んでいます。例えば、販売実績から使用した食材の使用量を算出し、需要予測を反映した適正な発注数量や使用量を導き出しています。また、お客さまに炊き立ての美味しいシャリを提供できるよう、リアルタイムの需要予測をもとに、必要な量を見極め、炊飯しています。AIの学習機能により、予測の精度は日々高まっています。

AIは店舗運営の効率化・省力化にも寄与しています。スタッフの予定や売上予測、過去の実績をもとに、AIが最適なスタッフのシフトを提案することで、店長のシフト作成に要する時間を削減しています。

貴重な水産資源を余すことなく活用

一般的に、すしに使用できるのは魚の腹の部分など約4割といわれていますが、魚を1匹丸ごと仕入れる当社グループは、残りの部分も商品に活用しています。魚のアラや骨までに価値を見いだし、 グループ内のブランドの垣根を越えて食材を使い切るスキームを構築しています。例えば、まぐろの握りに向いた部位は「スシロー」 が利用し、頭は「回転寿司みさき」で職人が煮つけ、手作業でないと身が取れない中落ちは「鮨酒肴 杉玉」で酒の肴として提供しています。また「スシロー」のメニューにあるラーメンではアラを出汁に使うなど、握りにはできない部位も活用しています。根幹にあるのは、 すしとして扱う“背や腹”の部分とアラや骨などの美味しさの価値は同等という考え方です。私たちは、「魚に捨てる部分はない」 日本料理の考え方を創業以来受け継ぎ、メニューの工夫がひいては食品ロスの削減にもつながっています。


また「スシロー」では新商品を開発する際に、食品ロスの削減のため同じ原材料を使った商品 (派生品)を開発しており、FY24においては約150の派生品を開発しました。

「 スシロー」の各店舗では、2023年からすしをはじめとする商品を回転レーンに流すことを廃止したことで、流した後に廃棄される食品ロスはゼロになりました。


 

カーボンニュートラルの実現

マテリアリティ

TCFD提言への対応

当社グループは多種多様な海洋水産・農林資源を原材料として使用していることから、気候変動を重要な経営リスクのひとつとして位置付け、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、気候変動に関わる情報を開示しています。