F&LCの考える
サステナビリティ

代表メッセージ

すしの美味しさを世界に広め、
グローバルな外食企業へ

代表取締役
水留 浩一
社長メッセージ

2015年にFOOD & LIFE COMPANIESのCEOに就任して以来、「すし」という日本の美味しい食文化を世界に広め、世界の人たちにもこの美味しさを楽しんでもらいたい、という思いで事業を展開しています。私はすし屋の原点はお好みだと考えています。その瞬間、自分が本当に食べたいもの、その季節で一番いいものを気軽に食べたいだけ食べられる、これこそがすし屋本来の良さです。お好みの良さ、楽しさをある意味、実現しているのが、回転すしの世界になります。回転寿司は、すしだけでなく麺類やデザートも食べることができ、子どもも大人も楽しめる夢のような世界です。私たちはこの楽しい空間、そして時間を世界のより多くの人たちに色々な形で提供していきます。
日本の外食産業は、品質、コストパフォーマンスを見ても、世界で戦える力を持っています。日本の食文化の価値を伝え、日本の外食ブランドが世界のどこにでもあり、誰でも楽しむことができる世界を実現していくことで、日本の新たな基盤産業として社会に貢献してまいります。

グローバルで戦うための強み

日本と同じフォーマットを提供する

当社グループは海外でも、店舗デザインも商品も接客も日本と同じフォーマットで「すし」という日本の食文化とその体験を提供することにこだわっています。海外店舗であっても美味しさに対する追求は変わりません。海外ではすしを食べたことがないスタッフも働いていますから、手間がかかる調理工程をきちんとやり遂げること、加えてなぜこの工程が必要かという理由を説明し、理解してもらうことを重視しています。
自分たちのサービスでお客さまが楽しむ様子を見ることが、飲食業に携わる者にとって共通する喜びだと思っています。その経験がよりよいサービスの提供という好循環につながります。これを表したものが企業理念の中にある行動指針です。行動指針は皆で共有できるように各国の言語に翻訳されています。私も現地に行った際は、なるべく直接社員と話をして伝えるよう心掛けています。海外展開のさらなる発展のためには、価格や品質への要求が高い国内事業に磨きをかけることが重要です。お客さまの幅広いニーズに応えるために、厳選したすしネタをはじめ、「こだわり」をご提供する商品などのラインアップを充実させました。価格と品質のバランスがとれた商品を提供し、お客さまに満足いただくことが成長につながります。この積み重ねで、海外でも通用する「筋肉質で勝てる」企業体質に磨きをかけていきます。

成長を続けるための人財戦略

誰もが挑戦できる環境をつくる

企業の成長には、人の成長が欠かせません。労働力不足が懸念されている外食産業では、社員が安心して働ける環境を整えることがサステナブルな取り組みと言えます。例えば、当社では高卒でも大卒でも初任給は同水準としています。2023年から副業制度も導入しました。一方で、女性活躍の面では課題を感じており、さまざまな立場の社員が活躍できる環境づくりに取り組んでいきます。
当社グループならではの特徴と言えるのは、誰もが挑戦できる環境です。スシローの海外法人は、国内スシローで部長職などを経た者が社長となり活躍しています。つまり、海外経験のあるなしに関わらず、どんどんチャレンジしてもらうのです。こうした実績があるからこそ、若手社員も目標を持って業務に励むようになり、同じようにグローバルな環境に挑戦できると考えています。こうした例は、今後海外で働く現地スタッフにも広がっていくと期待しています。人の成長には機会をつくることが大事で、当社では社内の公募制度を活用し、社員のキャリア形成を促進しています。

サステナブルな調達の取り組み

水産資源を創る循環型モデルへ転換

私たちのような飲食業は、魚などの命をいただくことで成り立っています。魚に限らず肉や米、野菜などの食材を将来にわたって健全な形で使わせていただくこと、さらには、食材を自ら作りながら、同時に持続可能な形で使っていく、循環型の調達モデルにシフトしていくことが重要になります。
気候変動の影響などにより国内では漁獲高が低下している状況ですが、養殖技術の向上もあり、世界的に見れば漁獲高は増加しています。問題は、供給量以上にグローバルな水産物需要が拡大し続けていることです。このような動向を見据え、高品質な食材の安定調達のために、当社グループでは養殖魚の調達を拡大させ、養殖:天然の比率を50:50としていきます。特定の取引先と養殖への取り組みも進めており、2022年に種苗から成魚までの一貫生産を手がける養殖事業者と合弁会社を設立し、現場の課題解決と養殖技術向上を目指しています。さらにゲノム編集技術を持つバイオベンチャーへの出資や共同研究を進め、新しい漁業を模索しています。これら次世代養殖の取り組みを、多様な海洋水産資源が持続する未来へとつなげ、循環型モデルの構築、そして自然と共生するビジネスへの転換を果たしていきます。
水産資源そのものだけでなく、サプライチェーンのプロセスも健全でなければなりません。取引先企業には、当社グループの考え方やガイダンスをお伝えし、アンケートへのご協力もお願いするなど、コミュニケーションを始めています。

企業価値の最大化を目指して

COMPANIESの力で美味しさを広める

上場企業として目指さなくてはならないのは「稼ぐ力」を高めることです。株主の皆さまに対する責任を果たすために、経営指標としてROE(自己資本利益率)を重視し、2桁以上のROEを維持していくことが重要だと考えています。売上規模にもこだわり、前年同期比10%以上の成長を維持していくよう努め、売上高1兆円を目指します。
さらなる成長性の追求と企業価値の最大化を目指して、当社では7つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。それぞれの課題がどの事業にインパクトがあり、優先して取り組むべきものは何か、改めて可視化できたことに成果を感じています。今後は数値的な目標を掲げ、サステナビリティ推進委員会と取締役会で定期的にモニタリングを行い、進捗を図っていきます。
ガバナンスについてお話ししますと、当社の取締役は私以外の7人全員が社外取締役です※。会社のためになる意思決定ができる体制を整えることが重要と考え、専門性や実績はもちろん、世代や性別などダイバーシティも考慮し、就任をお願いしました。女性取締役比率は37.5%です。取締役会が果たすべき役割とは、執行を管理し監督するものであると位置付けています。
一方で、国内において不適切なキャンペーン告知でお客さまにご迷惑をおかけし、深く反省しています。また、一部消費者によるSNSの迷惑行為も多方面に影響がありました。いずれも再発防止に向け、ガバナンスを強化し皆さまに安全で安心してご来店いただけるよう仕組みの再構築をし、その遵守に努めてまいります。課題の解決に向けて取り組むのは経営層も社員も同じです。取引先の企業の方々との連携もこれまで以上に重視しつつ、年齢、国籍さまざまな夢を実現する仲間――「COMPANIES」の力を結集し、「美味しさ」を未来へつないでいきます。
当社グループは、海外でも成長を遂げていける可能性の高い日本発の企業です。多様な水産資源を守りながら事業のユニークさを生かし「グローバルな外食企業」を目指してまいります。
※2023年12月の株主総会にて取締役 専務執行役員 小河博嗣が就任し、 社内取締役は2名体制となりました。

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